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整備士の平均給料(年収)は安すぎ?年収アップの方法や将来性について解説

整備士の平均給料(年収)は安すぎ?年収アップの方法や将来性について解説 (1)

自動車の点検・整備を行う自動車整備士は、人々の安全と命を守る仕事です。

現代社会に欠かせない重要な職業にも関わらず、「給料が低い」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、本当に自動車整備士の給料は安いのでしょうか?

本記事では、自動車整備士の平均給料(年収)やディーラー別の年収ランキング、年収アップを実現する方法、自動車整備士の将来性について紹介します。

ぜひ今後のキャリアを考えるきっかけにしてみてくださいね。

目次

自動車整備士の平均給料(年収)はいくら?

自動車整備士は「仕事が大変な割に給料が低い」というイメージがある方も多いかもしれません。

では、自動車整備士の平均給料はいくらなのでしょうか。

一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が公表している「自動車特定整備業実態調査結果概要」によると、令和4年度の自動車整備士の平均年収は約404万円でした。

同年の給与所得者全体の平均給与が458万円(国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査結果)なので、自動車整備士の給料は平均より少し低めになっています。

確かに自動車整備士は世間でのイメージ通り給料が安い傾向にありますが、他の職種に比べて安すぎると言うほど低い訳ではなさそうです。

自動車整備士の給料は年々上がり続けているため、今後はさらに高くなると考えられます。

参考:自動車特定整備業実態調査結果の概要|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
民間給与実態統計調査結果|国税庁

自動車整備士の給料(年収)は勤務先で変わる

自動車整備士の職場としては、ディーラーもしくは民間整備工場が一般的ですが、自動車整備士の平均給料は、勤務先によっても異なります。

自動車特定整備業実態調査結果の概要を元に、ディーラーと民間整備工場の平均給料の違いをまとめました。

勤務先平均年収
ディーラー約480万円
民間整備工場約370万円

ディーラーの平均年収は約480万円、民間整備工場の平均年収は約370万円と、約90万円もの差がありました。

ディーラーの場合は上述した給与所得者の平均年収(458万円)より高くなっています。

民間整備工場で働く自動車整備士の給料が低い理由として、残業時間が短く、休日が多いことが挙げられます。

一方ディーラーはカレンダー通りに休むことはほぼできず、顧客に合わせて働くため残業も少なくありません。

勤務時間の違いによって、ディーラーと民間整備工場の平均年収には大きな差が開いていると考えられます。

トヨタなど有名メーカーの年収ランキング

ディーラーは比較的給料が高めですが、具体的なメーカーごとの給与額も気になりますよね。

ここではトヨタをはじめとした、有名メーカーで働く自動車整備士の年収ランキング(メカジョブ調べ)を紹介します。

メーカー平均年収(転職初年度)
トヨタ約473万円
ダイハツ約468万円
ホンダ約442万円
マツダ約407万円

いずれも転職初年度の年収となっているので、ここから上がっていく可能性は十分あります。

転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

参考:トヨタディーラーで働く整備士の年収は?給料や待遇について解説!|メカジョブ

自動車整備士の給料(年収)が安い理由

自動車整備士の仕事は高い専門知識が必要な割に、給料は平均よりやや低い傾向にあります。

どうして自動車整備士の給料は安いのか、考えられる理由を3つ紹介します。

利益率が低い

自動車整備士の給料が安い一つ目の理由は、利益率の低さです。

自動車整備士が対応する車検においても、お客様が支払う車検費用の中には様々な税金や保険料が含まれています。

そのため、例えばお客様から10万円の車検費用を支払ってもらっても、利益は数千円ということもあります。

自動車整備士の業務は車の安全や人の命を守る専門性の高い仕事であるにも関わらず、利益が出にくい仕事のため、給料が安くなっているのです。

設備費用が高い

自動車の整備に必要な設備費用が高く、会社は従業員の給料を上げるのが難しいというのも、自動車整備士の給料が低い理由の一つです。

自動車の整備に必要な大型設備や特殊な工具は高価なため、リース契約をしているケースが一般的です。

しかし例えリースであっても正常な整備環境を維持するには多額の費用が必要になります。

また近年は若者の車離れが進み、車を持っている人の中でも車にこだわりがなく必要最小限の整備でいいという人が増えてきています。

このように整備環境の維持費がかかることや、業界が伸び悩んでいることなどが原因で、自動車整備士の給料アップにまで手が回らない会社も多いと考えられます。

インセンティブがないか少ない

自動車整備士の給料が安いのは、職種自体にも原因があります。

例えば営業職は、売上の数%を給料に上乗せできるインセンティブ制度があるため、個人の努力によって給料アップが実現しやすい環境にあります。

しかし自動車整備士が行う仕事は、点検や整備など専門的な知識や技術を求められるもので、直接売り上げに関わるセールスではありません。

自動車整備士の給与体系にはインセンティブがないことが一般的で、あったとしても微々たるものであるケースが多くなっています。

自動車整備士は営業職などと比べて個人の努力が直接売上に反映されにくいため、給料がなかなか上がらない状態になっています。

自動車整備士が年収アップを目指す方法

では、どうすれば自動車整備士として年収アップを目指せるのでしょうか。

勤続年数を重ねて昇給していく方法が一般的ですが、下記の方法でも年収を上げることができます。

  • 1級自動車整備士資格を取得する
  • 次世代自動車に対応できるスキルを身に付ける
  • 上のポジションに就く
  • ディーラーや大手整備工場に転職する

それぞれ詳しく解説します。

1級自動車整備士資格を取得する

自動車整備士には資格がなくてもできる業務もありますが、資格を取得することでスキルの証明になり、年収アップに繋がります。

中でも国家資格である自動車整備士資格があれば、資格手当が加算される会社も少なくありません。

一般的に3級自動車整備士資格があれば数千円〜、2級・1級自動車整備士資格があれば1万円程度の手当がつきます。

特に1級自動車整備士は所有者が少ないため、賃金テーブルが異なり、昇給が早い会社もあります。

自動車整備士として年収アップを目指したい方は、知識と技術を磨いて1級自動車整備士の資格取得を目指してみましょう。

次世代自動車に対応できるスキルを身に付ける

次世代自動車に対応できる高度な技術を身につけるのも、自動車整備士の年収アップを目指す方法の一つです。

近年は、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池自動車など様々な最先端技術を用いた車が誕生しています。

自動車整備士として今後も長く活躍するためには、従来の車の整備スキルに加え、このような次世代自動車に対応できる知識・技術も不可欠なものとなるでしょう。

また精密センサーを搭載したASV(先進安全自動車)のシェア拡大により、ITに強い整備士の需要が高まることも予想されます。

自動車整備士として年収を上げていくためには、常に向上心を持ち、幅広い知識と技術を身に付けることが大切です。

上のポジションに就く

自動車整備士として経験を積み、主任整備士や副工場長、工場長など上のポジションに就くことで、年収アップを実現できます。

管理職になるためは、車の整備スキルだけでなく業務管理や経費管理、人材管理などのマネジメントスキルも求められます。

コミュニケーション力やリーダーシップなども必要なため、責任感は増しますが、同時にやりがいも増えるでしょう。

上のポジションへのステップアップを目指すには、現在働いている工場での昇格を目指すか、管理職候補を募集している求人に応募する方法があります。

ディーラーに転職する

ディーラーに転職すれば、今すぐ年収アップを叶えられる可能性があります。

上述したように、民間整備工場とディーラーでは、同じ整備士でも平均年収に約90万円もの差があります。

メーカーの中には独自の資格を設けている会社もあり、社内資格を取得することで手当が加算されるので、努力が年収アップに繋がりやすい環境であるとも言えるでしょう。

より良い環境で働き、最短で年収アップを実現したい方はディーラーへの転職を考えてみるのも良いかもしれません。

自動車整備士は人手不足で売り手市場

現在、自動車整備士は慢性的な人手不足で、転職は売り手市場です。

令和4年の整備士の有効求人倍率は約5倍と、整備士1人に対して5つの求人がある状態になっています。

人手不足を解消するため、近年は多くの会社で自動車整備士の労働環境の見直しが行われており、良い条件での転職が成功しやすくなっていると言えるでしょう。

今すぐ年収を上げたいと考えている方は、転職を前向きに考えてみても良いでしょう。

参考:自動車整備士|職業情報提供サイトjobtag

自動車整備士の仕事に将来性はある?

少子高齢化や若者の車離れ、カーシェアリングの普及が進む今、自動車整備士の仕事に将来性はあるの?と気になっている方もいるでしょう。

結論から言うと、自動車整備士は将来性がある仕事だと考えられます。

ここでは、自動車整備士の将来性について、給料面と社会ニーズの面から解説します。

自動車整備士の給料は今後も上がる見込み

自動車特定整備業実態調査結果概要によると、近年、自動車整備士の平均年収は右肩上がりになっています。

年度平成30年令和元年令和2年令和3年令和4年
平均年収約391万円約392万円約396万円約398万円約404万円

自動車整備士の平均年収が上がり続けている理由は、年々深刻化する人手不足です。

現在はディーラーや民間整備工場問わず、どこの職場でも自動車整備士が足りていない状況になっています。

人材を確保するため、給料アップをはじめとした待遇改善を行う企業が増えています

今後もこの傾向は続くと考えられるため、自動車整備士の給料は上がっていく可能性が高いでしょう。

参考:自動車特定整備業実態調査結果概要|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会

自動車整備士は長く安定して働ける仕事

自動車は人々が快適に暮らすために欠かせないものであり、今後もなくなることは無いと考えられます。

そのため、自動車の整備を行い、人々の安全と命を守る自動車整備士の仕事もなくなることはありません。

また自動車整備士の資格は国家資格なので、一度取得すれば一生涯有効です。

資格さえあれば日本全国どこでも仕事を見つけることができるでしょう。

資格と経験があれば、今後も長く安定して働くことができるので、自動車整備士の仕事には十分将来性があると言えます。

整備士の給料事情を知り、今後のキャリアを考えよう

自動車整備士の給料は安いというイメージがある方も多いかもしれませんが、勤務先によっては一般サラリーマン以上の給料を見込めるケースも少なくありません。

また資格取得やスキルアップを図ることで、給料アップも目指せるでしょう。

自動車整備士は人手不足で売り手市場のため、より良い条件で転職しやすい環境になっています。

今すぐ年収を上げたい、現在より良い待遇で働きたいと考えている方は、転職を考えてみるのも一つの方法です。

自動車整備士におすすめの転職サイトはこちらの記事で紹介しているので、興味のある方はぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

iijimaのアバター iijima 代表取締役

新卒でミドル層に特化した転職エージェントに就職後、IT業界や福祉業界、建設行界、士業などに特化をした人材紹介事業の立ち上げを担当。その後求人メディアや転職口コミサイトの運営企業でデジタルマーケティングを担当し、株式会社アルセを創業。
保育士に特化をした転職支援事業を運営しながら、これまでに経験した転職エージェントでのノウハウや、求人サイトを利用する際のポイントを紹介しています。

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