「障がい者向け求人サイトはどこがおすすめ?」「いろいろあるけど選び方がわからない」とお悩みの方もいるでしょう。
障がいのある方の仕事探しでは職種や条件面だけでなく、障がいへの理解があるか、必要な配慮は得られるかなどの確認も重要なポイントです。
障がいのある方が自分に合う職場を見つけるには、障がい者の方の転職サポートの実績が豊富な求人サイトを利用することをおすすめします。
本記事では、障がいのある方におすすめの求人サイトや求人サイトの選び方、求人サイトをうまく活用する方法を解説します。
さらに障がい者を取り巻く雇用の現状や就労形態の種類なども詳しく紹介しています。
これから転職・就職活動を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
障がい者の方におすすめの転職エージェント・求人サイト4選
ここでは障がいのある方におすすめの求人サイトを紹介します。
各サイトごとに強みや特徴があるので、ぜひ参考にしてください。
LITALICO仕事ナビ
LITALOCO仕事ナビの概要
LITALICO仕事ナビ の求人数 | 3,114件(2023年5月30日現在) |
LITALICO仕事ナビ の求人エリア | 日本全国対応 ※エージェントサービスは一都三県に在住かつ、 障害者手帳を保有していないとサポートを 受けられない(連絡がこない)ので要注意です。 |
LITALICO仕事ナビ の登録方法 | 登録はこちらから |
LITALICO仕事ナビ の運営会社 | 株式会社 LITALICO |
LITALICO仕事ナビ の許認可番号 | 13-ユ-312010 |
LITALICO仕事ナビは働くことに障がいのある方を対象とした就職支援サイトです。
障がい者雇用の就職支援を15年以上行ってきた実績があるため、働くことに不安を抱えている方や転職が初めての方でも安心してご利用いただけます。
関東を中心に全国の求人に対応しており、掲載求人数は3000件と国内最大級です。
LITALICO仕事ナビでは、障がい領域の専門スタッフであるアドバイザーが通常の転職サポートだけでなく、一人一人の障がいの特性への配慮に関して企業とすり合わせを行ってくれます。
「正社員求人」や「在宅勤務可求人」「ハイキャリア求人」「未経験可求人」など様々な人気条件特集があるのも嬉しいポイントです。
勤務地や職種だけでなく、障がい別の雇用実績や合理的配慮も検索できるので自分の希望条件に合った求人を見つけやすいでしょう。
※ただし、LITALICO仕事ナビは一都三県に在住かつ、障害者手帳を保有していないと転職支援を受けることができない(連絡がこない)ので注意が必要です。
LITALOCO仕事ナビの評判・口コミ
募書類の制度や面接のイロハが学べたところは特によかったです。
自分で作成していた時よりも、応募書類の合格率が格段と上がりました。
他の会社と比較すると、多くの求人数を紹介してもらえました。
自分の希望とマッチしていないものもありましたが、視野が広がった部分もあるので、結果よかったと思います。
ランスタッド チャレンジド
ランスタッド チャレンジドの概要
ランスタッド チャレンジド の求人数 | 285件(2023年5月30日現在) |
ランスタッド チャレンジド の求人エリア | 日本全国対応 |
ランスタッド チャレンジド の登録方法 | 登録はこちらから |
ランスタッド チャレンジド の運営会社 | ランスタッド株式会社 |
ランスタッド チャレンジド の許認可番号 | 13-ユ-010554 |
ランスタッド チャレンジドは世界最大級の人材サービス会社が運営する、障がい者向け転職支援サービスです。
事務系や金融系、システム系、医療系など様々な業界の求人を取り揃えています。
ランスタッドを利用して転職した方の約60%が年収300万円以上との実績があるため、キャリアアップや収入アップを考えている方におすすめです。
専任コンサルタントの丁寧なサポートも評判で、障がいの内容やこれまでのキャリアを考慮した上で納得のいく転職が実現できるよう親身にフォローしてくれます。
企業との連絡や条件交渉も、双方の思い違いが生じないようニュアンスを確認しながら行ってくれるため安心してお任せすることができます。
精神障がい者の方のサポートは一都三県のみですが、身体障がい者の方の場合は全国に対応しています。
ランスタッドチャレンジドの評判・口コミ
大手なので求人も多く、さまざまな視点から会社を見つけたり自分なりに合った会社を見つけて働くことができる点がよかったです。
担当の方に、他の人のケースを教えてもらうことができて、こんなにも自立している方がいるんだと自信につながりました。
障害を持っていても働けるサポートをしているところがたくさんある世の中だということが知れてうれしかったです。
dodaチャレンジ
dodaチャレンジの概要
dodaチャレンジ の求人数 | 非公開(2023年5月30日現在) |
dodaチャレンジ の求人エリア | 日本全国対応 |
dodaチャレンジ の登録方法 | 登録はこちらから |
dodaチャレンジ の運営会社 | パーソルダイバース株式会社 |
dodaチャレンジ の許認可番号 | 13-ユ-040608 |
dodaチャレンジの評判・口コミ
スキルシートなどで事前に職歴や転職先を確認のうえ、希望に沿った転職先を提示してくれるので、他のサイトと比較しても対応がよかったと感じています。
個別にご担当者をつけていただけるので、不明点や不安に思う内容、希望する条件等も相談しながら、転職活動ができるのは大きなメリットでした。
atGP(アットジーピー)
atGP(アットジーピー)の概要
atGP(アットジーピー) の求人数 | 1,159(2023年7月13日現在) |
atGP(アットジーピー) の求人エリア | 日本全国対応 |
atGP(アットジーピー) の登録方法 | 登録はこちらから |
atGP(アットジーピー) の運営会社 | 株式会社ゼネラルパートナーズ |
atGP(アットジーピー) の許認可番号 | 13-ユ-030101 |
障がい者向けの求人サイトの選び方
障がい者向けの求人サイトを使って仕事を探そうと考えているけれど、どのサイトに登録したら良いかわからないとお悩みの方もいるでしょう。
各求人サイトごとに特徴は異なるため、自分に合う求人やサポートがあるサイトを選ぶことが大切です。
ここでは障がい者向けの求人サイトの選び方を詳しく紹介します。
障がい者向け支援の実績があるか
求人サイトを選ぶ際は、障がい者向け転職支援の実績があるサイトを選びましょう。
なぜなら実績が豊富なサイトを選ぶことは、就業後のミスマッチを防ぐことに繋がるからです。
実績があるサイトは多くの企業との関係ができており、実際にサイト経由で就職した方もたくさんいるため、求人票だけでは分からない就業先の詳しい情報を把握しています。
詳しい情報がないまま就職してしまうと、障がい者雇用をしている企業に就職したのに必要な配慮が得られずトラブルになったり、早期退職に繋がってしまうこともあるかもしれません。
職場の理解がどのくらいあるのか、実際にどんな配慮をしてもらえるのかなどを担当者に事前に確認したり企業とすり合わせを行ってもらうことで、ミスマッチのリスクを減らすことができます。
上記で紹介したサイトはいずれも障がい者の転職支援の実績があるサービスのため、安心してご利用いただけます。
障がい者支援やサポートが充実しているか
自分に必要な支援やサポートが充実しているかどうかを確認して、利用する求人サイトを選びましょう。
条件に合った求人の紹介や書類添削、面接対策、就職後のフォローなど手厚いサポート体制があれば、初めての転職活動でもスムーズに進めていくことができます。
また求人サイトの担当者に障がいについて十分な理解や知識があるかどうかも大切なポイントです。
障がいは同じ診断名でも特性や症状、必要な配慮は人によって様々です。
就業後の配慮や障がいへの理解について、企業側とうまくすり合わせてくれる担当者がいれば安心して任せることができるでしょう。
求人サイトを選ぶ際には、担当者が障がいへの専門性を持ってサポートしてくれるかどうかを確認しましょう。
働きやすい環境の求人があるか
求人サイトを選ぶ際は求人数だけでなく、掲載されている求人の内容をチェックすることが大切です。
転職することがゴールではなく長く働き続けるためにも、働きやすい環境が整っている質の高い求人があるサイトを選びましょう。
例えば身体障がいがあって車いすで生活している方は、社内にスロープが完備されているか、車いす用トイレがあるかなどの確認が必須です。
サイト内の求人情報にそういった合理的配慮について記載があれば安心して利用できるでしょう。
障がい別の雇用実績や合理的配慮など細かい条件を検索できる機能があるサイトを使えば、必要な配慮を得られる求人を探しやすくなります。
HPの求人情報欄に掲載されていない情報について詳しく知りたい場合は、担当者に確認してみましょう。
質問した際に詳しい情報をしっかりと提供してくれるサービスは信頼性があり、求人の質も高いと考えられます。
質の高い求人があるサイトを選ぶことは、転職を成功させるための重要なポイントです。
障がい者の転職に求人サイトの利用がおすすめな理由
障がいのある方が転職する際は求人サイトを利用することをおすすめします。
障がい者向け求人サイトの利用には以下のメリットがあるからです。
- 必要な配慮が得られる求人が見つかる
- 転職活動の負担が軽減される
- 選考通過率が上がる
- キャリアプランを相談できる
各メリットについて詳しく紹介します。
必要な配慮が得られる求人が見つかる
障がいのある方が転職をする場合、希望する職種や待遇などの条件面だけでなく、障がいについての理解や配慮があるかどうかを考える必要があります。
求人サイトを利用せず一人で転職活動をすると、自分にぴったりの求人を見つけることは困難ですし、時間もかかってしまうでしょう。
障がいと一括りに言っても身体障がいや精神障がいなど種類は様々ですし、同じ診断名でも人によって特性や必要な配慮は異なります。
しかし求人票に書かれてる情報だけでは、実際にその企業にあなたの障がいを受け入れる体制が整っているのか、必要な配慮が得られるのかを判断することは困難です。
例えばせっかく気になる求人を見つけて応募しても、その企業にあなたの持っている障がいや特性を受け入れる体制がなく、配慮ができないため採用が見送りになってしまうということも十分あり得ます。
情報量が豊富な求人サイトを利用すればこのような応募時のミスマッチを防ぐことができるので、時間と労力を無駄にすることなく効率的に転職活動を行うことができます。
転職活動をスムーズに進め、自分に合った職場を見つけられるよう求人サイトの利用がおすすめです。
転職活動の負担が軽減される
転職活動は、求人探しから履歴書などの書類の作成、面接対策、条件交渉などやるべきことがたくさんあります。
全てを一人で行うことは大変ですが、求人サイトを利用すれば担当者が一つ一つの手順をサポートしてくれます。
履歴書や職務経歴書の添削や面接対策も行ってくれるので、自信を持って選考に臨むことができるでしょう。
内定後のサポートもあり、労働条件の交渉や必要な配慮のすり合わせなど自分ではなかなか言い出しにくいことも担当者が代行してくれるので安心です。
求人サイトを利用することで担当者と二人三脚で転職活動を進めていけるので、物理的・精神的な負担が軽減されます。
選考通過率が上がる
求人サイトを利用すれば、転職業界のプロである担当者が履歴書など書類の添削をしてくれるため、個人で転職活動をするより選考通過率が上がる傾向にあります。
さらに担当者は求人への応募時に、推薦状を添えて企業に提出してくれます。
推薦状とは応募者の人柄や強み、転職理由などを文章化して面接に繋いでもらえるようにPRする推薦文です。
推薦状があることで企業は応募者のことを詳しく知ることができ、興味を持ってもらえる確率が上がります。
求人サイトに登録すれば充実したサポートを受けられるため、一人で転職活動をするよりも選考通過率が良くなるのです。
キャリアプランを相談できる
求人サイトへ登録すると、担当者との面談があります。
面談では希望条件についての聞き取りだけでなく、自分のキャリアプランについても相談することができます。
「転職するかどうか悩んでいる」「どんな仕事が向いているかわからない」という状態でも登録は可能なので、面談を受けることで自分のキャリアを改めて考えるきっかけになるでしょう。
転職のプロに相談することで、自分では思いつかなかった仕事や新たなキャリアプランが見つかるかもしれません。
孤独になりがちな転職活動ですが、担当者に相談しながら進めていくことで気持ちの切り替えができたりモチベーションの維持にも繋がります。
障がい者が転職活動を始める前に知っておきたいこと
障がいの診断を受けて初めて転職活動をする方もいるでしょう。
ここでは障がいのある方が転職活動を始める前に知っておきたいことを解説します。
障がい者の働き方にはオープンとクローズがある
障がい者の働き方には「オープン就労」と「クローズ就労」という2種類の働き方があります。
オープン就労とは障がいがあることを企業に開示して就職することです。
オープン就労のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | 勤務形態や業務内容を配慮してもらえる |
デメリット | 求人の種類が少ない |
クローズ就労とは障がいがあることを企業に開示せずに就職することです。
クローズ就労のメリットとデメリットをまとめました。
メリット | 求人の種類が豊富 |
デメリット | 勤務形態や業務内容で配慮が得られない |
上司など一部の社員のみに障がいや特性を伝える「セミオープン就労」という方法もあります。
オープン就労の方が職場定着率が高い
様々な理由からオープンかクローズか迷う方もいますが、どちらにするかは「業務の遂行に配慮が必要かどうか」で判断しましょう。
配慮が必要な方はオープン就労で就職することをおすすめしますが、配慮が必要なければ求人の種類が豊富なクローズ就労のほうが良いかもしれません。
配慮が必要なのにクローズ就労で就職してしまうと、ストレスが溜まって早期退職に至ったり「うつ病」など二次障害の発生に繋がってしまう可能性があります。
実際、職場での定着率は周囲の配慮を得られるオープン就労のほうがクローズ就労に比べて高い傾向にあります。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターによる「障害者の就業状況等に関する調査研究」の結果を表にまとめました。
障がい者求人 | 一般求人(障がい開示) | 一般求人(障がい非開示) | |
3カ月後の定着率 | 86.9% | 69.3% | 52.2% |
1年後の定着率 | 70.4% | 49.9% | 30.8% |
障がい者求人と一般求人(障がい開示)はオープン就労、一般求人(障がい非開示)はクローズ就労です。
クローズ就労では1年後の定着率が3割しかなかった一方、オープン就労では5~7割と圧倒的に高くなっています。
障がいの者の転職では、職場の理解や配慮が得られるかどうかが定着率に大きく関係していることが分かります。
障がい者の転職・就職を取り巻く現状
転職を考えている方は、現在の障がい者の転職・就職を取り巻く状況も押さえておきましょう。
ここでは障がい者雇用の現状や、就労形態の種類、障がい者が使える転職サービスなどを紹介します。
障がい者の雇用状況
障がい者の雇用は「障害者雇用促進法」によって詳しく定められています。
民間企業の法定雇用率は2.3%のため、従業員43.5人以上雇用している事業主は、障がい者を1人以上雇う義務があります。
ちなみに国や地方公共団体は2.6%、都道府県などの教育委員会は2.5%と民間企業より高い設定です。
令和3年の民間企業で雇用されている障がい者の数は597,786人で前年より19,494人増加し、18年連続で過去最高でした。
令和3年の民間企業での障害者雇用状況の集計結果は下の通りです。
障がいの種類 | 雇用者数 | 対前年度比 |
身体障がい者 | 359,068人 | 0.8%増 |
知的障がい者 | 140,665人 | 4.8%増 |
精神障がい者 | 98,054人 | 11.4%増 |
全ての障がいで雇用者数は増加していますが、特に精神障がい者の雇用者数の伸びが著しいことが分かります。
理由としては、2018年の障害者雇用促進法の改正や2021年の障がい者雇用率引き上げが挙げられます。
改正では精神障がい者が「障害者雇用義務」の対象に加わったことや、精神障がい者の短時間勤務の雇用率算定方法が変更されました。
これにより企業が精神障がい者を雇用するメリットが増え、年々雇用者数が増加してきています。
障がい者雇用率は数年ごとに少しずつ引き上げられており、2026年度には民間企業で2.7%に引き上げられる予定です。
障がい者の就労形態の種類
障がい者の就労形態には障がい者雇用だけでなく、特例子会社就労や一般枠での就労など様々な種類があります。
ここでは障がい者の就労形態の種類について紹介します。
障がい者雇用枠や特例子会社就労
障がい者雇用枠とは、一般企業に設けられている障がい者を対象とした採用枠のことです。
障がい者雇用枠で働くためには各種障害者手帳や診断書などの提示が必要になります。
特例子会社とは、事業主が障がい者雇用のために特別に設置した子会社のことです。
障がい者雇用に合わせた設備や制度になっており、周囲も障がいを持つ人が多いため働きやすい環境が整っています。
業務内容も障がいや特性に合ったものになっているので無理なく安定して働くことができます。
特例子会社は都市部に多く、就職は特別支援学校や就労支援機関などからの紹介によるケースが一般的です。
企業からすると特例子会社を設立することで障がい者の法定雇用率を達成し、企業全体のイメージアップを図れるというメリットがあります。
参考:「特例子会社」制度の概要
一般枠
障がいのある方は、企業の一般枠で就職することもできます。
一般枠で働くには障がいを開示する「オープン就労」と開示しない「クローズ就労」があります。
オープン就労とクローズ就労については「障がい者が転職活動を始める前に知っておきたいこと」で詳しく解説しているのでご覧ください。
一般枠のオープン就労の場合、得られる配慮やバリアフリー環境は職場によって異なるので自分で確認したり交渉したりする必要があります。
クローズ就労の場合は周囲に障がいを伝えないため交渉する必要はありませんが、もちろん配慮も得られません。
就労継続支援A型
就労継続支援A型は、一般企業で働くことが難しい障がい者が、一定の支援のある職場で雇用契約に基づいて就労できる福祉サービスのことです。
利用者はA型事業所と雇用契約を結んだ上で働くため、基本的には最低賃金以上の給料が保障されます。
勤務は一般就労とほとんど同じですが、比較的就労時間が短いことが特徴です。
事前相談や見学、体験利用が可能な事業所も多いので、自分に合うか確認してから利用することができます。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は一般企業で働くことや雇用契約に基づく就労が困難な障がい者が、雇用契約を結ばないで軽作業などの就労訓練を行える福祉サービスのことです。
雇用契約を結ばないため、賃金ではなく「工賃」として生産物に対する成果報酬が支払われます。
雇用契約を結ばないため最低賃金を下回ることが多いでしょう。
勤務日数や時間は事業所によって異なり、障がいや体調に合わせて自分のペースで働きながら仕事に必要な能力やスキルを習得します。
障がい者が使える他の転職サービス
転職活動は一人で行うより、求人サイトなど支援サービスを利用したほうが効率的に進めることができます。
障がいのある方が転職をする際に使えるサービスには、本記事で紹介しているような求人サイト以外にもいくつかあります。
ここでは障がいのある方が利用できる求人サイト以外の転職サービスを2つ紹介します。
ハローワーク
ハローワークには障がいについての専門的な知識を持つ職員がいるため、求人の紹介から面接への同行、就職に関する相談などきめ細かな支援を行っています。
ハローワークでは障がい者雇用枠の求人はもちろん、障がいや特性によっては一般の求人に応募することも可能です。
ただし、ハローワークは求人の掲載が無料なので資金に余裕のない企業の求人も多いというデメリットがあります。
求人票に記載されていた条件と実際の労働条件が違うなどのトラブルも、残念ながら珍しくありません。
ハローワークは全国各地にあり近年はインターネットサービスも充実してきているので、お住まいの地域が転職サイトの求人エリアに入っていないなど物理的に転職サイトの利用が困難な場合は利用を検討しても良いかもしれません。
就労移行支援事業所
就労支援事業所とは、障がいのある方の就職をサポートする福祉サービスです。
就労移行支援事業所は地方自治体から指定を受けてサービスを提供しており、全国に約3300ヶ所以上の事業所があります。
求人サイトとの大きな違いは、就職前に仕事に必要なスキルを身につけるための職業訓練を1カ月〜2年行った上で就職活動をサポートしてくれる点です。
職業訓練では仕事のスキルだけでなく体調管理やコミュニケーション能力など働くために必要な知識を学ぶことができます。
さらに就職後も職場定着支援があり、相談対応や企業への環境調整依頼なども行っています。
就職前にじっくりと職業訓練を受けることができるので、「働きたいけどいきなり就職するのは不安」と感じている方におすすめです。
障がい者向け求人サイトをうまく活用する方法
転職活動では求人サイトを利用することで自分に合った職場が見つけやすくなります。
しかし、ただ登録するだけで担当者に任せっきりではせっかくの求人サイトのメリットを十分に享受することができません。
障がい者向け求人サイトをうまく活用するには以下の3点を心掛けましょう。
- 複数の求人サイトに登録して比較する
- 担当者と相性が悪ければ変更してもらう
- スキルや障がいについて正直に伝える
それぞれの内容について詳しく解説します。
複数の求人サイトに登録して比較する
求人サイトは複数登録しておくことをおすすめします。
なぜなら複数のサイトに登録することで、担当者の対応や求人情報、サービスの使いやすさを比較でき、自分に合ったサイトを見極めることができるからです。
担当者の質は求人サイトによって異なるので、親身になってくれるか、希望条件に沿った求人を紹介してくれるか、障がいについての知識や理解があり信頼できるかなどを確かめてみましょう。
求人サイトには各サイトの独占案件や登録しないと見ることができない非公開求人があります。
複数のサイトに登録することでそのような求人もカバーすることができるので、応募できる求人の選択肢が増えるでしょう。
また求人サイトには求人情報だけでなく、障がい者転職についてのコラムや体験談など有益な情報コンテンツが掲載されているため、様々なサイトを見てみることでいろいろな情報や知識を得ることができます。
複数の求人サイトに登録していると、異なる求人サイトから同じ求人を紹介されることもあるかもしれませんが、応募は1回だけに留めておくようにしましょう。
企業の確認の手間が増えてしまいますし、求人内容を良く見ずに応募している人だと思われて印象が良くありません。
担当者と相性が悪ければ変更してもらう
求人サイトの担当者は転職支援のプロですが、人間同士のことなのでどこかしっくりこない、自分と合わないと感じることもあるでしょう。
なかには障がいに対する理解が不十分だと感じたり、紹介される求人が希望条件と異なるためこのままこの人に任せても良いのか不安に思うこともあるかもしれません。
担当者と相性が合わないと感じた場合は、遠慮せず変更を申し出ましょう。
転職はこれからの人生を左右する一大事です。
担当者に不満を抱えたまま納得できない転職をしてしまうと、仕事が続かず早期退職に繋がってしまうかもしれません。
転職を成功させるためにもサポートしてくれる担当者は相性の良い方を選ぶことが大切です。
担当者の変更は、担当者へ直接メールや電話で連絡するか、HPの問い合わせ窓口から申し込むことができます。
スキルや障がいについて正直に伝える
自分を良く見せようと、これまでの経歴やスキルを盛ったり見栄を張ったりすることはやめておきましょう。
嘘をついて内定をもらっても本当のことがバレた時には信頼を失いますし、もしバレなくても「いつかバレてしまうのではないか」と怯えながら働かないといけなくなり、良いことはひとつもありません。
また求人サイトでは登録情報や担当者とのやり取りが履歴に残ります。
求人サイトを複数回利用している場合、前回と今回とで登録内容が違うとなれば信頼できない人材と見なされ良い案件を紹介してもらえなくなるリスクがあります。
必要な配慮を得るため、障がいの内容や特性についても正直に伝えるようにしましょう。
転職先で長く安定して働けるように、嘘偽りのないありのままの自分で転職活動を行いましょう。
障がい者向け求人サイトを利用する流れ
初めて求人サイトを利用する方のなかには、どんな流れで進めるのかわからず不安を感じる方もいるかもしれません。
障がい者向け求人サイトを利用する流れは以下の5ステップです。
- 求人サイトに登録する
- キャリアカウンセリングを受ける
- 求人を紹介or検索して応募する
- 書類選考&面接
- 内定
各ステップごとの内容や手順を詳しく解説します。
1.求人サイトに登録する
自分に合いそうな求人サイトが見つかれば、公式HPから登録します。
障がいの種類内容、住所氏名などの個人情報、これまでの経歴、希望条件などを入力します。
障がい者手帳や診断書を手元に用意しておくとスムーズに入力できるでしょう。
登録後は電話やメールで連絡が来て、登録内容の確認やキャリアカウンセリングの日程調整を行います。
都合が合えばそのままキャリアカウンセリングを受けることができる場合もあります。
2.キャリアカウンセリングを受ける
担当者とのキャリアカウンセリングでは希望条件や自分の障がいについて伝えます。
自分に合う求人を紹介してもらうため、これまでの経歴なども正確に伝えましょう。
障がいの特性や内容、必要な配慮なども詳しく伝えられるよう、カウンセリングの前に話す内容を書き出しておくと良いですね。
希望条件がまとまってなかったり、今後のキャリアをどうすれば良いか悩んでいる場合は担当者にそのまま伝えましょう。
転職のプロである担当者に相談することで、今までの職歴からおすすめの仕事を提案してくれたり、これからどうしていきたいか一緒にキャリアの方向性を考えたりしてくれます。
良い転職をするため、不安なことや気になることがあれば遠慮せずに担当者に相談してみることをおすすめします。
3.求人を紹介or検索して応募する
キャリアカウンセリングが終われば、担当者が希望条件に合う求人を紹介してくれます。
紹介してもらえる求人は非公開のものもあるので必ずチェックしましょう。
登録したサイトから自分で条件を絞って求人を検索することもできます。
求人票だけでは分からない情報もあるので、気になる案件があれば担当者に詳しい情報を尋ねてみると良いでしょう。
条件面だけでなく障がいへの理解が十分にあるか、必要な配慮はしてもらえるかなど、自分がその職場で安心して働けそうかを確かめることが大切です。
4.書類選考&面接
気になる求人を見つけ、応募した後は書類選考や面接に進みます。
履歴書や職務経歴書を初めて作成する方でも、担当者が添削やアドバイスをしてくれるため安心して進められます。
面接対策のサービスを受けられるケースも多いため、ぜひ利用しましょう。
頻出の質問に対する答えを事前に担当者に相談しながら準備できるので、落ち着いて面接に臨むことができます。
希望すれば模擬面接をしてもらえる可能性もあるので、興味のある方は担当者に相談してみましょう。
5.内定
内定後は入社日の調整や条件交渉などのサポートを行ってくれます。
給与などの条件交渉だけでなく障がいに応じた配慮のすり合わせなど、自分では言い出しにくいことも企業に伝えてくれるので、担当者とコミュニケーションを取りながら入社準備を進めていきましょう。
内定が決まれば、現職の退職準備に入ります。
希望すれば退職のサポートを行ってくれる場合もあります。
入社後もフォローは続くため、働く中で何か問題やトラブルがあれば担当者に相談すると良いですよ。
障がい者向け転職エージェントでよくある質問Q&A
新卒も障がい者向け求人サイトを利用できる?
障がい者向け求人サイトは新卒の方でも利用できます。
ただし求人サイトには中途採用など経験者向けの求人が多いため、「新卒募集」「未経験OK」など条件を絞って求人を探すと良いでしょう。
LITALICO仕事ナビでは新卒募集や未経験OKの求人を多く取り揃えています。
30代の障がい者転職で気を付けたいポイントは?
30代の転職ではこれまで培ってきたスキルや即戦力を期待されます。
キャリアや自分の特性を踏まえた上で、仕事のスキルや自分の強みを説得力を持たせて伝える必要があります。
早期退職を繰り返しており、転職回数が多い方は転職理由の伝え方に注意が必要です。
「なぜ辞めてしまったのか」「これまでと同じ状況にならないようにどうすればよいか」をきちんと整理して伝えましょう。
40代・50代でも障がい者転職はできる?
40代・50代の障がい者の方でも転職することは可能です。
ただし20代・30代よりは求人数は少なくなるので、障がい者向け求人サイトを利用してプロにサポートしてもらうことをおすすめします。
今までの経験やスキルを活かして、転職先の企業で何ができるかを具体的にアピールしましょう。
本記事の参考サイト
障害者の就業状況等に関する調査研究|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター
令和3年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省
「特例子会社」制度の概要|厚生労働省
障害者の就労支援対策の状況 |厚生労働省